私たちが普段から使っている砂糖は白いものが多いですね、それはだいたい「上白糖」と呼ばれています。
パッケージには「白砂糖」と書かれるものもありますが、同じものなんです。
この上白糖が、体に悪い影響を与えるという噂があるようですが、本当のところはどうなのか調べてみました。
目次
上白糖が体に悪いと言われるワケ
なぜ、上白糖は体に悪いといわれるのでしょうか。
他に色のついた砂糖もある中、真っ白な上白糖は漂白されているという噂も飛び交いました。
そんな危険な食品が昔から家庭で使われてきたはずがありません。
そもそも砂糖は「サトウキビ」や「甜菜」といった原料を煮詰めていって、さらに何度か精製するという工程を繰り返して作られています。
上白糖のみ、不純物を釣り除くために「水酸化カルシウム」を加えるのですが、これによって不純物が沈殿し、きれいな上澄みが残ります。
この上澄みを結晶化して転化糖を加えたものが上白糖で、栄養価は炭水化物のみという砂糖の種類です。
誤解の理由が水酸化カルシウム、そこにあったのです!
不純物を取るために加えたこの水酸化カルシウムが、上白糖を漂白したのではないか?と考えられ、広まったのがきっかけでした。
でも普通に食品にも使われる害のないものなんです。
そして上白糖の場合、これを使わないと不純物が取れないのですから、逆に安心していいはずなのです。
水酸化カルシウムは、こんにゃくを作るときの凝固剤にも使われるので、体に悪い影響を与えるはずがありません。
ただ、上白糖には炭水化物(糖質)しか栄養分がないので、あまり多く摂るのは体に良くないですね。
黒糖、三温糖、グラニュー糖との違いは?
砂糖にはいくつか種類があります。
これから3つの種類について、上白糖との違いを見ていきましょう。
①黒糖
砂糖を作る工程で不純物を取り除く精製というのがありますが、それをしなかった砂糖が黒糖になります。
原料を煮詰めて結晶化したものということです。
黒糖は、上白糖とは違ってカルシウムやミネラルといった栄養素も多く含み、独特のコクがあるんです。
だからそのままでも食べられている砂糖なのです。
②三温糖
上白糖を作るときに精製した後にできる糖蜜を加熱することで、カラメルのようにしたものが三温糖です。
炭水化物が主成分の上白糖と比較すると、若干ミネラルやカルシウムが多い砂糖で、煮物のコクを出したりする効果があります。
③グラニュー糖
上白糖を作る際の工程とほとんど変わらないのですが、最後に転化糖を加えずに完成させたのがグラニュー糖です、
栄養も上白糖とほとんど変わりがないし、料理よりもお菓子作りの材料に向いています。
結局、どの砂糖を使うのが一番良いのか?
どの砂糖が一番かは、使う目的や好みで決まるでしょう。
お菓子作りならグラニュー糖、煮物なら三温糖、栄養価の高いものを摂るなら黒糖など、使い分けるのがいいと思います。
黒糖に近い色をしている三温糖は、先に述べた通り上白糖を取り出した後の糖蜜を煮詰めて結晶化した砂糖なので、栄養価はあまり上白糖とは変わらない砂糖です。
上白糖も決して悪い砂糖ではないのですが、精製を繰り返すことで栄養価が減ってしまって糖分だけが残ったという分、取り過ぎに注意して普段の生活に使いましょう。
上白糖が体に悪いというのは勘違いだった!
上白糖が体に悪いというのは極端な発想のようでした。
では、上白糖だけでなくいろいろな砂糖についてもまとめてみましょう。
※上白糖は精製の段階で使う物質によって白くなる
水酸化カルシウムという上白糖の製造には欠かせない物質が、砂糖を白く漂白しているという噂が広まったのがまずは大きな勘違いでした。
三温糖や黒糖という色のついた砂糖もあるだけに、そのような考えが先行したのでしょう。
そして、精製を繰り返すうちにだんだんと本来あるはずの栄養が失われ、残ったのが炭水化物(糖質)のみになったので、摂取が多いと体に危険といわれるようになったのです。
※他の砂糖との違い
茶色っぽい色のついた砂糖は主に「茶砂糖」とも言われ、きび糖や黒糖・甜菜があります。
上白糖のように完全に精製された砂糖か、完全に精製されたものでない砂糖かによって栄養面で大きく違ってくるのです。
おいしさや甘味ではやはり不純物のない上白糖にはかなわないかもしれませんが、黒糖にはミネラルなども含まれ、きび糖や甜菜にはやさしい自然の甘さが残っています。
お好みの砂糖を探すのもいいですね。