かなこ
ユッケなどの生肉は赤ちゃんに良くないと聞いて不安だけど、何が悪いの?という方がいらっしゃるかもしれません。
大好きな焼肉を妊娠中は我慢しなきゃいけないのか不安ですよね。
実は生肉や生焼けのお肉を食べると、トキソプラズマ感染症などの病気に感染する危険性があります。これはお母さんだけでなく、胎盤を通して赤ちゃんにも移ってしまいます。
生焼けのお肉を食べてしまって不安だという妊婦さん。この記事では感染症のことや焼肉を食べる際の注意点を書いていますので、是非参考にされてみてください。
妊娠中の焼肉の生焼けによる病気の可能性
病気その① トキソプラズマ感染症
妊娠中に生焼けのお肉を食べた際に一番注意したい感染症は「トキソプラズマ感染症」です。家畜の生肉や猫のふん、土の中に生息する寄生虫です。
トキソプラズマは健康な人が感染したとしても、軽い風邪のような症状で済むことが多いのですが、妊婦さんが感染すると、重篤な症状に陥りやすいです。
そして怖いのが、胎盤を通して胎児に感染した場合、先天性トキソプラズマ感染症を引き起こし、脳性麻痺や髄膜炎、精神・運動機能障害などを負った状態で生まれてくるだけでなく、最悪の場合流産や死産になってしまいます。
トキソプラズマは大人の10%程が既に感染しているのですが、特に重篤な症状を引き起こすのは妊娠中に初めて感染した場合です。産婦人科の血液検査でわかることもあるので、生肉を食べてしまった場合はかかりつけ医に相談しましょう。
病気その② カンピロバクター食中毒
カンピロバクター食中毒は、家畜の腸内に生息する細菌で、日本でも多くの患者が毎年罹患しています。下痢や嘔吐、発熱などの食中毒の症状が1週間ほど続きますが、妊婦さんは免疫が低下していることも多く、重症化しやすいのが特徴です。
長引く下痢などは流産の可能性も高くなりますし、カンピロバクターが胎児に感染すると、髄膜炎を引き起こし知的障害や麻痺を残す場合がある怖い病気です。
病気その③ リステリア感染症
リステリア菌は地球上の至るところに生息し、リステリア菌に汚染された食べ物を食べるとリステリア感染症を引き起こします。生肉や生野菜などが汚染されていますが、普通の健常な人が感染しても発症することはまれですが、妊婦さんは健常者の20倍感染しやすいとされています。
また、胎児に感染した場合、敗血症や髄膜炎を引き起こし、最悪の場合流産や死産してしまいます。
もし生焼けのお肉を食べてしまったら
先ほど述べましたが、生肉や生焼けの肉を食べると、妊婦さんだけでなく、赤ちゃんにも恐ろしい症状が出る場合があります。
しかし、胎児に感染するのはまれであり、日本ではさほど重要視されていません。
だからと言って生焼けのお肉を食べていい訳ではなく、毎年このような障害を持った赤ちゃんが生まれていることを頭に入れておいてください。
もし生焼けのお肉を食べてしまい、体調がおかしいなと思った場合は、すぐに担当医に相談してください。血液検査などで感染を調べられる場合もありますし、妊婦さんでも使用可能なお薬を処方してくれる場合もあります。
それでも焼肉が食べたい場合は
大好きな焼肉、妊娠中ずっと我慢するのは無理ですよね。焼肉を食べる際は、
- 生や生焼けの肉は避ける
- 生肉を触ったトングや箸で取り分けをしない
ということに気をつけてください。トキソプラズマなどは67度で死滅しますので、しっかりと中まで火を通すように気をつけましょう。少し神経質になるくらいが妊娠中はちょうどいいです。
ユッケなどの生肉が大好きという方は、妊娠中は控え、出産したら食べるようにしてくださいね。出産のご褒美と思うようにしましょう。
まとめ
生焼けの肉を食べると、妊婦さんや赤ちゃんに重篤な症状をきたす場合があることがわかりましたね。
自分の好みと思って生焼けのお肉を食べたことで、赤ちゃんに障害が残ってしまったら、自分を責めても責めきれません。
妊娠期間中はほんの数ヶ月です。赤ちゃんのことを思って、妊娠中だけでもしっかり焼きを心がけましょう。