濃厚でクリーミーなことから「海のミルク」とも言われています。
しかし一方で食中毒も懸念される食材でもあります。
「もうあんな思いしたくないから、牡蠣は食べれない」とトラウマを抱く人も多いです。
そうなると自宅で調理するのはちょっと不安になってきますよね?
今回は自宅で安心して牡蠣を調理したい人のために牡蠣の加熱時間について解説していきたいと思います。
牡蠣の加熱時間はどのくらいが安全?《調理器具ごとに解説》
牡蠣の食中毒は「ノロウイルス」が有名ですよね。
これは牡蠣を生で食べてたり、加熱が不十分だったことが原因で起こってしまいます。
食中毒を起こさないためにもしっかり加熱することが重要になってきます。
フライパンで加熱する場合
むき身で180℃の油で8~10分です。
カキフライも同様に8分以上は火を通しましょう。
フライパンで殻付きを蒸す場合は10~15分となります。
鍋で加熱する場合
むき身でお湯が沸騰してから3分以上です。
またしかし3分も茹でてしまうと牡蠣の身が縮んでしまいます。
茹でる前に牡蠣に片栗粉をつけると身の縮みを防ぐことができますよ。
電子レンジで加熱する場合
むき身で500wで3分以上、殻付きは500wで9分以上です。
殻付きの場合に加熱時間は変わる?
殻が付いている分、加熱時間は多くなるのでむき身と殻付きでは時間が変わります。
厚生労働省や農林水産省でも牡蠣の加熱についてこのように推奨されています。
85℃以上で90秒で大丈夫と勘違いしている人もいるようですが、牡蠣の中心部が85℃以上に達してから90秒以上の加熱が必要ということなのです。
ですので、お湯が沸騰してから90秒以上ではないということです。
生でも食べられる牡蠣なのでサッと揚げて、サッと蒸しての調理ですと食中毒へのリスクは高まります。
食あたりを防ぐために注意したいこと
牡蠣の食中毒でノロウイルスが代表的ですが、他にも腸炎ビブリオや貝毒などでも中毒を起こします。
各漁業でも出荷前に検査をしますが、1つ1つを検査しているわけではないです。
ただ、貝毒については有毒のプランクトンを食べた貝の体内に蓄積し加熱しても死滅しないため、二枚貝の体内から自然に排出されるのをまってから水揚げをしています。
スーパーで買ったから安心安全ではなく、私たち消費者自身も食中毒に気をつけて調理しなければなりません。
生食用と加熱用の違い
スーパーで売られている牡蠣には「生食用」と「加熱用」と2パターンで売られています。
これは生食用に鮮度がなくなったから「加熱用」にしているわけではありません。
2パターンでわかれているのには、牡蠣の養殖イカダの場所や出荷時の工程が関係しているそうです。
菌はノロウイルスとは別のものになります。
加熱することで問題ない菌になるので、食品として問題はありません。
また牡蠣特有の濃厚な味わいを感じたいなら加熱用、安心して食べたいのなら「生食用」を食べると良いです。
保存方法を正しく、賞味期限内に食べる
これは生もの全般に言えることです。
しかし、火を通すからと多少賞味期限が切れても大丈夫と思わないでください。
特に殻付きの牡蠣は殻についている微生物や細菌が日に日に増殖していくといわれています。
また、賞味期限内でも保存方法を誤ると、腸炎ビブリオという菌が発生します。
腸炎ビブリオの繫殖力はとても早いです。
4℃以下であれば増殖はしませんが、4℃を超えると急増します。
スーパーで買った際は氷に入れたりし、帰宅したらすぐに冷蔵庫に入れましょう。
調理器具を清潔に
腸炎ビブリオは4℃を超えると増殖します。
そのため、生の牡蠣を入れた調理器具は清潔にしなければなりません。
魚を処理したまな板でサラダや浅漬けを作り、魚ではない食材から腸炎ビブリオが検出された例もあります。
腸炎ビブリオは人から人にうつることはないですが、器具から器具へと増えていくので、生の牡蠣を入れたりした調理器具はしっかり洗いましょう。
万が一食あたりになってしまったら
牡蠣は毎回あたってしまう人もいれば、何度食べても平気な人とそれぞれです。
しっかり、中心部が85℃以上になるまで加熱したつもりでも運悪く家族が食あたりになる可能性もゼロではありません。
やはり牡蠣で食あたりで1番多いのがノロウイルスです。
ノロウイルスは家族がみんな全滅するといわれるくらい非常に感染が強いウイルスです。
このように、加熱が不十分な牡蠣を食べてそれから二次感染がどんどん起きてしまいます。
そのため、感染者を増やさないように1人目が感染したら迅速に対応しなければなりません。
感染者の吐しゃ物や便はの処理が感染拡大を防ぐためにとても重要になってきます。
嘔吐物の処理の手順を頭に入れておくと良いですよ。
我が家では当時0歳だった娘が病院のおもちゃなどからノロウイルスに感染してしまいました。
娘がなった翌日には三男と次男が感染。
残るは長男と私と夫でしたが、保育園の園だよりでノロウイルスについて読んだことがあったので、吐しゃ物の処理や感染者が触ったもの、服などを徹底的に除菌して私たちは感染せずに済みました。
それから、誰かが吐いたらノロウイルス同様の処理をするように心がけています。
娘が他にも胃腸炎を貰いがちなのですが、アデノウイルス胃腸炎になった時は娘1人で他は誰も感染することなく終息できました。
ここ最近は季節問わずにノロウイルスが流行るので我が家では「胃腸炎セット」を常備しています。
これらが常に家にあるとすぐに対処できますよ。
また次亜塩素酸ナトリウムの消毒液はスプレータイプになっているので、空気中にかけたり、手指消毒で子どもにも使えるので便利です。
漂白剤でも消毒液は作れます。
使う機会がないことが一番ですが、万が一に備えておくことも感染拡大を防ぐためには大切です。
まとめ 新鮮を過信しないこと
どうしても生でも食べられるものはサッと火を通しても「だって生でも食べられるから」と思ってしまいます。
でも生で食べられるとはいえ、牡蠣1つ1つにノロウイルスがないかを検査するのは不可能なことです。
出荷されて店頭で売られていると安心して口にしますが、牡蠣などの2枚貝は慎重に調理しなければなりません。
安全な食卓を守るためには、生産者や販売元任せにするのではなく、消費者の私たちも購入したからには期限や保存方法、調理方法に十分気を付ける必要があります。
私たちが生産者や販売元を信用しているのと同様、彼らも消費者の皆さんが正しく商品を扱ってくれることを信じています。
美味しいもの、好きな食べ物にトラウマができてしまうことは悲しいことですよね。
牡蠣は十分に注意して扱えば、全然怖くない食べ物ですよ。