実は、この問題の主な原因は「静電気」です。冬場、空気が乾燥していると、電気は放電されず、その場に留まります。留まっていた電気が結合すると、静電気が発生します。
この静電気は、マフラーと服が異なる電気を発生させる素材である場合に特に起こりやすく、その結果、マフラーの毛が服に付着します。つまり、素材の相性が悪いわけです。
マフラーと服の素材が良く合っていれば、毛の付着は少なくなります。どちらの素材もプラスの電気を発生するか、またはどちらもマイナスの電気を発生する場合が理想的です。
プラスの電気を発生する素材には、ウール、カシミヤ、レーヨンなどがあります。一方で、マイナスの電気を発生する素材には、アクリル、ポリエステル、ポリウレタンなどが含まれます。
例として、マイナスの電気を発生するポリエステルのコートとポリエステルのマフラー、またはプラスの電気を発生するウールのコートとカシミヤのマフラーといった組み合わせは、毛の付着が少なくなります。
したがって、毛の付着を減らすための簡単な対策としては、素材の相性を考慮することが挙げられます。
このページでは、上記のことを踏まえた上で以下の情報について詳しく解説します。
・マフラーの毛が衣類につかないようにするための対策6選
・衣類についてしまったマフラーの毛を簡単に取る方法2選
・毛がつきずらいマフラーの素材3選
マフラーの毛がつく問題を解決する方法6選
柔軟剤スプレーをして洗濯する
柔軟剤の成分には、水と親和性のある分子が含まれていて、これらの分子が繊維に付着することで静電気を逃す効果があります。このため、柔軟剤を含んだ水をスプレーすると、静電気を抑制することが可能です。
柔軟剤が手元にない時や外出先で静電気が気になる場合は、水だけでも十分です。スプレーで水を霧吹きし、手でマフラー全体に均等に水を付ければ、静電気の発生を防げます。
また、洗濯も静電気対策に効果的で、ついでに毛も取れるので便利です。
手洗いで余分な毛を落としておく
洗濯は、不要な毛を取り除く効果も持っています。特に新しいマフラーは毛が抜けやすい傾向があるため、衣服に毛が付着しないように、最初に抜けやすい毛を取り除くことが大切です。
マフラーの洗濯には、繊維を傷めない手洗いが推奨されます。また、洗濯できない素材のマフラーもあるため、品質表示タグを確認することが重要です。
さらに、余分な毛を除去する方法として、洋服用ブラシやエチケットブラシを使用するブラッシングや、洋服用の粘着テープで表面の毛を取る方法があります。
ただし、粘着テープを使う際は、過度に行わないよう注意が必要です。テープで繊維が過度に抜けると、マフラーが薄くなってしまう恐れがあります。
ヘアリンスを使う
ヘアリンスに含まれる界面活性剤は柔軟剤と似ており、これが空気中の水分を吸収することで静電気の発生を抑制します。
この方法を試すには、ヘアリンスを水で薄めてスプレーボトルに入れ、マフラーに霧吹きするだけです。ヘアリンスと水の比率は1対10以上が適切です。
ただし、ヘアリンスの香りが強い場合や、使いすぎるとベタつきの原因となることがあるため、この方法は裏技として、慎重に試してみてください。
静電気防止スプレー
マフラーの毛が衣類につく一番の原因は、静電気によるものです。
なので、なるべくマフラーと衣類の間に静電気が発生しないようにすれば大方の問題は解決します!
それに大活躍するのが、「静電気防止スプレー」です。
マフラーをつける前に、マフラー全体に静電気防止スプレーを吹き付けるだけで衣類との間に静電気は発生しなくなりますしマフラーの毛が付きにくくなります。
購入するならばエレガードなど非常に評判が良いですよ。
霧吹きで水をかける
こちらも静電気の発生を抑える方法なのですが、マフラーに霧吹きで水をかけるというのもひとつの手です。
水を吹き掛けた後に表面を手で撫でて、水がまんべんなくマフラーに付着するようにします。
こうすることで静電気が発生してしまうのを防止できます。
霧吹きが無い場合でも、マフラーがびしょびしょにならない程度に水を付けて手で撫でればOKです。
静電気防止スプレーを吹き掛け忘れてしまったことに出先で気付いたときなんかにはこの方法が使えますよ。
組み合わせを工夫する
繊維の組み合わせによって静電気が起こりやすいかどうかが決まってきます。
静電気が起こりやすい繊維の組み合わせは以下の通りです。
・塩化ビニル×ウール
・アクリル×ナイロン
・ポリエステル×レーヨン
・リネン×シルク
・コットン×レザー
この組み合わせだとマフラーの毛が付きやすいので、ちょっと注意して着るものを決めてみてくださいね!
服や制服についたマフラーの毛を簡単に取る方法
ガムテープやコロコロを使って取る
どのご家庭にでもあって簡単に取れる方法といえば、テープを使った方法です。
ガムテープなら大抵のおうちにあるでしょうし、万が一無かったとしても最近はコンビニでも売られているので簡単に手に入れることができます。
このとき注意したいのが、粘着力の強すぎるテープは使用しないことです。
粘着力が強すぎると生地を傷めてしまうことがありますから、粘着力が比較的弱い紙製のガムテープがおすすめです。
また、粘着力のあるもので言えばコロコロなんかもとても便利です。
使い終わったあとに使った部分だけ簡単に剥がせるという点や、衣類に使っても生地を傷めることがない程よい粘着力であるという点が使いやすいですね。
自宅で使うならこちらのように自立して置けるコロコロがおすすめです。
エチケットブラシを使って毛を取る
エチケットブラシは、付着した毛を取り除くのに非常に便利です。
服についた毛をブラシで軽くなでるだけで簡単に除去できます。
現在は100円ショップなどでも販売されており、携帯用のコンパクトなものも多くあります。
そのため、外出時にバッグに一本持っておくと、いつでも簡単に使用できて重宝しますよ。
マフラーの毛がつかない素材は?
マフラーは素材によって毛のつきやすさが大きく変わります。
ここでは毛がつきずらい素材順に紹介します。
カシミヤ【◎】
高級なカシミヤは一般的に毛が抜けにくいとされていますが、実際には毛足の長さが大きく影響します。
毛足が短いカシミヤほど、毛が抜けにくい傾向にあります。
ウールのような毛羽立ちはカシミヤでは少ないですが、新しく購入したカシミヤ製品は、最初に手洗いするかクリーニングに出すことが推奨されます。
これにより、製品の状態を良好に保ち、長く使用することができます。
ウール【△】
ウールはその高い保温性で知られていますが、取り扱いには注意が必要なデリケートな素材です。
基本的にはドライクリーニングが推奨されていますが、手洗いする場合は、洗濯表示をよく確認し、慎重に行うことが大切です。
ウール製品を初めて使用する際は、繊維が抜けやすいことがあります。
このため、定期的にブラッシングして毛を取り除くことで、衣服に毛が付着するのを防ぐことができます。
適切なお手入れによって、ウール製品の品質を維持し、長持ちさせることが可能です。
アクリル100%【✕】
アクリルは静電気を発生しやすい素材の一つであり、ウールなど他のプラス電荷を帯びやすい素材に対して毛が付着しやすい特性があります。
そのため、コートの素材に関係なく、静電気防止スプレーの使用が推奨されます。
このようなスプレーは静電気の発生を抑えることで、衣服に毛が付着するのを減らす助けとなります。
コートだけでなく、他の衣服やアクセサリーにも有効で、静電気による不快感を軽減するためにも役立ちます。
【まとめ】マフラーの毛がつかないようにする方法まとめ
この記事ではマフラーの毛がつかない方法を6つ紹介しました。
- 柔軟剤スプレーをして洗濯する
- 手洗いで余分な毛を落としておく
- ヘアリンスを使う
- 静電気防止スプレー
- 霧吹きで水をかける
- 組み合わせを工夫する
ちょっとした工夫をするだけで、簡単にマフラーの毛が衣類につかないようにすることができるんですね。
もしマフラーの毛がつくので困っている方は試してみてください!